某所
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●たまにしか書かない新ゲームレビュー。過去のレビューは全部なかった事にして、年2〜3本くらいで書こうかと…。





■2009/07/21


 『ドラゴンクエスト9 星空の守り人』

 点数: 50 点/100

 良くも悪くもDSで発売された事が大きく左右された作品。

 購買年齢層を考慮した事で恒例のカジノは消えたそうだし、死体などの直接的オブジェクトがないのも、古くからのファンには残念である。(へんじがない、ただのしかばねのようだ…とかの骨)

 シナリオの内容はさておき、DSはそもそも持ち運ぶ事が多い機種なので、少し遊んでやめる事も多いはず。果実集めがやたらあっさりしていたのは、そういう点を踏まえたものだからだとは思う。
 ともかく、様々な面を切り込んでいこうと思います。


●ストーリー

 全体を通すと散漫で、主人公は本当に無意味。しゃべらないから空気だというわけではなく、基本的に”事件がすべて他人事”でしかないので、主人公自身が”人としてどう思うか?”という部分がなかった。
 イベントとして敵と戦うけれど、それ以上の感情はない。そんなところ。それがよく出ているのは【砂漠】、【学園】あたり。あの辺は本当に無味無臭のイベントでしかない。

 だから、心に残らない。
 やらされているだけの話だからこそ、ただの消化過程イベントとしか写らない。

 サンディもそう。主人公と一緒に冒険する事で、何か成長するかというと、そういう事はまったくなく、本当にただのオマケでしかないため、いつまでも存在価値がなかった。

 …仮に、彼女がもともと家出娘で、天界の騒動で飛ばされたけど、主人公と共に故郷に帰る、その旅を共にする事で、心の成長がある。…というならまだ良かった。

 そして故郷ではああいう格好のキャラも沢山いる、となれば存在にも納得いく。しかし、そういう背景がまったくなく、存在自体が本当に思いつきでしか登場してないので、イロモノでしか見られない。だから無駄な存在なのである。

 とにかく、今回のストーリーはキャラが成長しても、心の成長がなかった。受身すぎた。
 ドラクエだからって、そういうものを求めていけないわけではないと思う。


●グラフィック

 DSにしては頑張っていたが、リッカなど顔付き3Dキャラのアップは可哀想な結果に…。

 また、イベントで3Dキャラと2Dキャラが混在してアップされたのはマイナス。対比が狂ってるのはいかがなものか。

 モンスターはDQ4辺りのリメイク同様に、キレイに動くのだけど、種類は多い割りに色違いばかりでゲンナリ。…まあDSだし仕方がないのかなぁ、と納得はした。


●BGM

 飽きないけど耳に残らない。

 旧作を引き合いにしては懐古懐古と騒がれるかもしれないが、昔の作品にはBGMだけで盛り上げる力強さがあったように思う。
 DQ2で仲間3人になった時、DQ4の5章最初で主人公一人で歩き出した時、物語を彩る花として印象深いものであったが、今回はフィールド、ダンジョン、ボスとに区分されているだけ。

 それと、海などの使いまわし曲は嫌いじゃないが…、やはり新しいのが聞きたかった。


●キャラメイク

 作れること自体は大歓迎するけど、そのパターンが少なすぎた。DSだからというのはあるけれど、無駄に過去作品の服装を入れる余裕があるなら、それを消して、1パターンでもキャラメイクに費やした方がまだマシのはず。

 着せ替え自体の発想はGOODで、プレイヤーそれぞれの服装ができるという方向性はよい。

 しかし、好きでも弱い装備になると着る意味もないわけで、無理をして、弱くても好きな服を着るメリットが自己満足だけでは虚しいのではないかと。…装備品全てに成長要素があれば良かったように思う。

 また、個人的にはヒゲのあるジジイキャラが作りたかった。


●職業(強さ)

 魔法のいらないゲーム。肉弾系特技が充実しているので、すぐにガソリン切れになる攻撃魔法を使う意味がない。杖で回復できるとはいえ、地道な作業なのだし、その分を回復魔法にまわせば肉弾系で事足りるので無駄でしかなかった。

 とどのつまりが、バランス悪い、という事。


●転職

 これは失敗。転職すると全てゼロからというのは馬鹿げている。育てた下地は特技だけ、というのも首をヒネる。
 職ごとの装備制限があるのはわかるけど、転職する事で強くなるのに無駄な時間がかかるだけでしかないし、転職しなくとも支障のない強さがあるので、転職そのものに魅力がない。何も残らずLV1じゃあねぇ…。

 また、魔法が固定すぎて夢がない。それで職のバランスは取れるのだろうが、転職すると覚えた魔法すべてが消えるのはゲームとしては正しくとも、育ててきたプレイヤーとしては納得いかないと思う。転職そのものが、ただスキルポイントを稼ぐだけの手段でしかないのもマイナス。


●クエスト

 最低のマゾ仕様。「ゴーレム10匹を通常の会心の一撃で倒す」…とか頭おかしい。遊ぶ側に必要なのは運と時間だけで、知力面での工夫で解決する要素がない。とにかく運に左右される面がありすぎてやってられない。

 クエスト自体は多様なので、その存在は認めるけれど、もう少し遊び易い形にはするべきだった。DQらしい味が多少なりとも感じられただけに、とにかく残念でならない。


●戦闘シーン

 無駄な移動が多かった。堀井氏いわく”乱戦”の表現がほしいとの事だったが、乱戦にはなっても、乱戦である意味は何もなかった。無駄に歩くシーンをカットするか、乱戦である事の意味合いをゲームとして持っていれば良かったのだが、ただ本当に演出というだけ。

 また、炎の息などの攻撃はまとめて表示なのに、マホトーンなど個別に表示されるのは無駄。ついでに杖での回復も、いちいち回復量を見せるのがうっとおしい。

 全体的に言うと、敵も弱かった印象。


●魔法

 かっこ悪い追加魔法の名前だけならまだしも、燃費の悪い攻撃魔法。
 懐古で申し訳ないが、ギラ系が消えたのはショックだった。

 武器が色々選べて技があるんだから、魔法もそうやって育てられれば良かったのではないかと。どうもDQ8から製作がLV5になって、魔法がさらに軽んじられているように思う。


●ダンジョン

 仕掛けがまったくなかったのが残念。踏むと動く床とか、←方向に動いてしまう床、落とし穴など、歩く以外の要素がなく面白みがない。また、MAPで表示されてしまうので暗中模索ではなく、目的地へたどり着くという作業でしかない。

 サンマロウ北のダンジョンなんかは、洞窟内に大きな足跡があったので、ボスに期待したのに、まったく関係ないとか…、期待感もそがれてしまった。じゃあなんで足跡があるの?

 思いつきでそういう阿呆な演出入れているのはオカシイだろう、と。


●れんきん

 とんでもなく作業!!

 絶対にやったほうが得だからやるけど、その分の素材集めが異常に面倒で、毎回フィールドの収集ポイントに出向かないと集まらない。そして「盗む」を多用しないと無理。時間だけがかかり、遊ぶ側の苦労など考えもしない。作った側は考えるべき。

 時間をかければそれが”やり込み”というのは間違っている。


●すれ違い通信

 ないよりはマシな程度。

 しかし、一度に3人までというのはヒドイ。きっとそれは長期で遊んでもらおうという配慮なのだろうが、遊び方はプレイヤーが決めるもので、作り手に強要されたくない。制限を取り払うべきだった。

 そもそも、根本的に問うと、来客をまねく事に意味があったのか?

 「すれ違いがあるのは楽しい」のだけれど、他者のやりこみ度合いを見て、それが何になる? しかも、まねいた客の装備や姿がじっくり見れないのは、わざわざ楽しみを減らしているんじゃないだろうか?

 …とにかく、その個人だからこそ、という遊び方が見れればよかった。

 仲間キャラ作れなくても良かったから、すれ違いで来た客を選んで仲間として連れていけるとかの方が面白かったのでは? 行動はそのプレイヤーさんの設定しておいたAIかなんかで。

 そして、そもそも間違っている点は、【地域によって集まる人数が違う】という事。

 地域で人の集まる差が出るのは解消しようがない。もう少し全てひっくるめて考えるべきだった。とにかく、発想はよくても、システムとして導入するという思考が安易すぎた。開発は過疎村でゲーム作ってみろ。


●協力プレイ

 ワイワイ遊ぶ時点で面白くはあるのだけれど、入手できる地図の攻略が高LVでしか行えないので、実質は、初期に集まってもやる事がない。中にはイベントを進めたくない人もいるだろうし。

 自分が進めた時にボスからGetできるアイテムが、他プレイヤーの進行度合いの兼ね合いでもう一度倒すと、また同じアイテムをGetできる!…というのはいいかもしれないが、それはただの損得勘定だし…。


『総評』

 とにかく、作り手の発想が全体的に安易だったといわざるを得ない。

 やり込みという方向性はいいが、強制させられる場面が多く、ストレスとなりやすい。…やり込みをさせる前に作り手の安易な発想と導入が全てをブチ壊している。

 面白くないわけではないが、そのやり込みに理不尽があるので苦痛を伴う場面も多い。それにシナリオも”多くの子供が遊ぶ携帯機での話”としてはどうか、と悩む。

 …ただ、

 これらはあくまで国民的ゲームのドラクエ、であるからこそ叩かれるわけで、普通のゲームならばもっといい点数だったようにも思う。携帯機というメリットとデメリットも様々な意見の要因であるのも事実である。

 それにドラクエは数年に一度のお祭りのようなもの。多くの世代が遊ぶからこそ、様々な評価が出るのも仕方がない。…これはこれでいいじゃないか、と許してやるのもファンというものだと思う。

 世間で色々批判が噴出しても、どうせまた、みんな次回作も楽しみにしてるんですから。
 まあ、そういう事で、DQ10は期待してます。

 特に! もっとリアルな着せ替え…ハアハア…に期待してます!!(←変態だ…)


●このゲームで一番面白かった部分。

 サンマロウ誘拐事件の犯人。洞窟を訪れた時のヤツラの反応が面白かった。
 あそこがDQ9のクライマックスだった。

●このゲームで一番ツマらなかった部分。

 職業クエスト。あれは苦行。

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