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●たまにしか書かない新ゲームレビュー。過去のレビューは全部なかった事にして、年2〜3本くらいで書こうかと…。





■2009/08/16


 『SDガンダム Gジェネレーションウォーズ』

 点数: 40 点/100

 ガンダムファンにだけしか通用しないという、いわゆるキャラゲーである「Gジェネ」シリーズ。

 これまでプレイステーション1の時代から、続いているわけですが…、はてさて、今回はどのような仕上がりなのでしょうか?

 自身もファンでありながら、公平な視点で探っていきたいと思います。


●登場作品

 前作のGジェネ・スピリッツでは、主に昭和時代のガンダム系列である「宇宙世紀」モノでまとめたため、平成以後のガンダムが登場しない作品でした。その分、その世代の作品、登場ユニットを多く収録できたわけですが、今作ではその部分を削り、平成以降の作品も全部を詰め込んでいます。
 しかし、これが新作であろろうとDVD自体の総容量自体は変わらないわけですから、当然そのままユニットを追加するわけにもいかない。結果として宇宙世紀を多く削り、そして平成以後作品も全部は入らない、という中途半端なモノとして完成されてしまいました。

 もちろん、宇宙世紀を全部消して入れれば問題はなかったのかもしれませんが、それでは、比較的数の多い宇宙世紀ファンという購買層を逃がしてしまう。だから、商売的観点からすれば削るわけにはいかなかったのです。

 そういう大人の事情もあるわけで、収録作品に名を連ねても、実はその作品ユニット1機だけという手口も当たり前です。嘘はついていないわけですからね。1機でも10機でも収録している事には変わりがない。

 …まあ、これはいままでも散々にやってきた事ですし、全作品が入ると告知された時点で予想できた事でもあるため、諦念はあったというのが正直なところ。プレイステーション2という、いまや前世代機体での作品である以上は、仕方がない事情だと思われます。


●シナリオ

 上記の理由により、同様に削減されたシナリオ郡ですが、各作品対応のシナリオ数が狂っている…というか差別があります。

 作品別に基本が5話なのですが、モノにより3話にされていたりします。その作品が人気かどうかはさておき、どの作品にも相応のファンがいるのだから、同等に扱うべきだと思うのですが…。

 また、それだけ短縮していれば、話の全体像などわかるはずもなく、それだけでストーリーを理解しろという気はないようです。あくまで”再現らしいもの”であって、ゲーム攻略上での過程。だから、見ていないストーリーをこの作品をやって理解したいな、というのは無理。

 付け加えれば、シリーズを遊んでいる人には、毎度毎度同じシナリオを見せられているわけですから、飽きも手伝って厳しいというのが正直なところ。これはもう宿命であり、仕方がない事なのですが…、次回作も同じだと想像すると、それはもう嫌というのが本音です。


●マップ・・・SLGという戦略面

 形式は2D見下ろし平面マップに、味方と敵ユニットがいるオーソドックスなタイプですが、構成によっては上層、下層という…つまり真上、真下の追加マップがあります。地上と空中とか、宇宙1、宇宙2という空間です。マップ間移動に1ターン使います。

 さて、それはいいのですが、このGジェネウォーズは「あくまでガンダムゲー」であるため、こういうタイプの戦略モノとしては、一番面白い部分がありません。それは”地形効果”です。

 多くのユニットが空を飛べてしまうので、地面が大地が山だろうと森だろうと差がないのです。

 だから、地形を利用した戦略がほとんどない。それどころか地上に居るほうが不利な事さえある。(攻撃が届かないなど)…それに宇宙MAPも多いわけですからなおさらです。宇宙なんて隠れる場所もないわけですからね。

 必然的に空を飛び、より多く移動できるユニットが有利になるし、そうなると、どの敵をどういう順番で倒すか?という行動しか選択肢がないわけです。ストーリーごとにMAPが変わろうと関係ないわけですよ。空を飛べない(もしくは宇宙で移動できない)ユニットが揃っていない以外は、MAPそのものなんて、どうでもよくなるわけです。

 これは戦略モノとしては致命的な部分です。そのため、MAP攻略そのものは至極単調となります。自軍のどのユニットで、どの敵を倒すか?という順番の問題しか残らないわけですからね。…それが毎回ともなれば、飽きるのも早いのは当然の事。

 これらは旧シリーズからそうで、キャラゲーである以上仕方がないとツッコミを入れても始まらない部分なのですが…。


●新要素「ウォーズブレイク」

 今作より導入された、MAP攻略上での一定条件(○○が○○のトドメを刺すなど)をクリアすると、作品の枠を超えた増援が追加登場するというシステムです。(以下WBに略称)

 原作ストーリーを追う中でWBを発動させると、その原作話がさらに進む事になるわけですが、これはプレイヤーの任意で行えるので、各作品の干渉をさせるか否か、増援を出すか否かを選択できるという点は嬉しい部分です。

 しかし、WB発動をし、別作品が登場したとしても、話上ではまるっきり関係がなく、無茶な会話でツギハギした本当にただの増援でしかない、というのが悲しいところ。

 これは、「スーパーロボット大戦」のような「各登場作品をまとめるべきバックストーリー」が存在しないためです。「スーパーロボット大戦」では、無茶な設定でも1本のストーリーとして繋げてあるから、その世界観で構築された増援が出てくる事に納得がいく。しかし、このGジェネでのWBは、そういったストーリー背景がないので、本当に関係なく出てくるだけとなる。…だから、唐突に感じるし、関連性も皆無なわけです。

 任意でのWB発動、それに伴う増援というアイデアは優れていますが、そこに「意味」を見出そうとするとお粗末です。ここも仕方がないと諦めるしかないですね。

 しかし、その増援がショボイ場合もあります。

 特にガンダムW最終MAPでは、遠距離攻撃が効かない相手とさんざん戦った後に、能力の平均的で遠距離攻撃も全部通り、しかもボスでもなんでもないザコ敵が登場するなどという、あんまりな場面もあります。最終MAPの、それも一番最後のWBだというのに、ボスの選択すら考えていないのは、いかがなものかと。


●ユニットの育成

 さて、敵を倒す事でLVUPし、機体をバージョンアップさせたり、新規ユニットに開発交換できたりするわけですが、MAPで語ったとおり、戦闘が単調なので敵を倒して経験値取得という繰り返しが至って作業的という前提があります。これは上記の説明通り。

 …微妙な改善としては、前作よりも武器使用時の消費ENは緩和されているようで、若干なりとも余裕を持って戦える点は良好です。それに敵を撃破した際にボーナスステップとしてもう一度攻撃できるのですが、それにも回数制限がつき、1機でENの続く限り攻撃という事もできなくなりました。これは単純に区切りのよい部分でしょう。

 また、前作で大不評だったテクニカル値とも言うべき、ハロポイントが撤廃されたのが大きく、面倒すぎない攻略であるのは好感です。そういう部分を踏まえると、シリーズでは一番遊び易いようにも思えます。もちろん前提は覆せませんが。

 これらに加え、編成時にユニットを同等性能の別ユニットと交換できるという「交換」システムがあるのですが、単純に交換できるという意味では選択の幅が広がりが持てるので支持できます。しかし、交換手数料がバカ高いため、大金払うならやらなくてもよい、と考えさせてしまうのは難があるように思えます。


●キャラクター関連

 今作でも各ガンダム作品の登場キャラをレンタルし、育てられるという部分があります。そしてそういう要素に加え、そのキャラの個性を表すアビリティというものが導入されました。

 まずはレンタルキャラから考察してみましょう。

 キャラゲーである以上、好きなキャラを使えて育てられるという点は、ファンには嬉しい部分です。この時点での最新作品ガンダムOOまで入っているわけですから、どの層にも魅力的であるはず。そういう外的な魅力はかなりのものでしょう。

 しかし、外見はよくても中身が良くなかった。大きな問題がありました。
 レンタルキャラに妙な制限があるのです。

 攻略MAPではちゃんと登場し、戦闘でも声優付き出ている、カットインさえあるにも関わらず、自軍にレンタルできない。参加させられないキャラが多数いるのです。

 最初からそのキャラを出していないのなら仕方がない。様々な大人の事情というものがあるのでしょう。それは諦めるしかない。…しかし、キャラ自身が居るにも関わらず、使えないのはいかがなものか? 声優が同じで別キャラはレンタルできるのに、片方が無理とか、意味がわかりません。

 ガンダムファンというのは、年齢層も趣味の幅も広く、色々な考えを持った有象無象の層が居るわけですが、それだけ多くのファンが居れば、相対的に人気がないキャラでも、使いたいと思う人は必ずいるはずです。キャラゲーでありながら、そういう事に対する選択肢がないというのは看過していいものなのでしょうか? キャラゲーがキャラゲーとして成立していないわけですからね。

 だから、そういう事を踏まえて言えば、納得できない処置としか見えません。それが如何様な事情であるにしても、ファンに対する侮辱と思えます。そんな部分で大人の都合など振りかざして欲しくはなかった。振りかざすべきではなかった。


 …では次、

 こちらは素直に評価できる部分、アビリティの導入です。

 これまでの作品では、キャラの違いは数値のみでしたが、このアビリティは個性をより表すものとして導入されています。取得経験値がUPする「エリート」、周囲の命中率をUPさせる「ムードメーカー」…などそのキャラを彩る要素として嬉しいシステムです。能力が同じなら、あとは絵が違うだけ、…であったこれまでの作品から一段階発想を飛躍させたよいモノだと思えます。

 また、戦闘ではカットインが個別に挿入されますが、顔アップにすると絵が変とか、声が口とあってない…などの些細な不手際はあるものの、個人をちゃんと扱っているのはナイスです。


 ついでにオリジナルキャラクターにも触れておきましょう。

 オリキャラは自軍で使える安値レンタルできる成長前提のキャラで、プレイヤーの好みに応じて使う事ができます。もちろん戦闘でのカットインも入ります。…しかし、昔からメンバーが変わらず、同じ顔ぶれなのはいかがなものかと。

 同じキャラがいるのは、それが好きなプレイヤーには親しみを与える一方で、同じである以上、同じでしかない以上、そのメンツがあまり好きではないプレイヤーには困るわけです。

 なので、彼らは据え置いて、また別の新規オリジナルキャラも入れておくという選択権はあるべきではなかったのかと思われます。(オリジナルを増やすならまず先に原作キャラ面を強化すべきですが、それはさておき)


●バランス

 能力値の1に対する重みがなく、命中率などはあって無いようなもの。5や10の差がついてようやく強さが違うと認識できる程度です。それにより、能力値のインフレになりやすい。

 それはさておき、一番ヒドイのは某人気ガンダムらの超性能です。彼らはユニットとして他作品の最高機種の手の届かない程、高性能なアビリティを持っていたり、移動力に差があったりします。…所詮は、人気という収益に対する、正当な比例なわけですね。人気者を強くしておけば集客できる、と。

 ファンあっての売り上げではなく、売り上げあってのファンですからね。わかります。


●BGM

 相変わらず原作音楽の耳コピ失敗のような妙な曲ばかりです。

大人の事情で版権使用料金のようなモノを取られないような配慮から、わざと変えているのでしょうが、デキが悪いのは変わらず…。もうちょっといいアレンジも出来るのでは、と期待するしかないようです。


●戦闘シーンでの演出

 Gジェネの華ともきうべき戦闘シーンですが、これは確実に進化しております。コクピット描写はキャラをアップにする事で演出に力強さを増し、攻撃を行う時に挿入される個別のキャラカットインでテンポもよくなっています。どうしてこんな戦わないキャラのくせにカットインが?…と嬉しい面もあります。こういった進化はファンにはありがたいところ。

 また、戦闘に移行する読み込みも素晴らしく早いので、ここにはまったく負担を感じません。


『総評』

 評価すべき点、納得できない点は毎回ありますが、結局は「Gジェネ」というシリーズの骨組みは変わっていないため、ただの改訂版を出しているに過ぎないのも事実です。

 戦闘は飽きるし、シナリオだって何度も見ていてウンザリ感がある。結局は同じことの繰り返しなのですからね。…こういう部分は作り手としても苦しいでしょうが、それはプレイヤー側も同じ感覚なのです。
 そういう意味で、さらに飽きやすいと感じるのがこのGジェネ・ウォーズなのではないか、と思われます。

 遊び易さや、微妙な改善はあるものの、それ以上ではないのですから、こんな評価しかあげられません。もちろん、それを分かってて購入したのですが。


 …しかし、これまでの作品などを一切考えず、初めてガンダム系SLGとして遊ぶのなら、そこそこの良作だと思います。これ単品で初めて遊ぶ事を考えれば、評価は+10点くらい上げてもいいと思います。

 SLGというジャンルではあっても、所詮はキャラゲーなので、色々と我慢しなければならない点は多々あるのですが、正直言えば、もうこの「Gジェネレーション」というシリーズは限界に来ているようにも感じました。

 ですので、新規システムとして根本から作り直し、また新たなガンダム作品として生まれ変わらなければ、プレイヤーに見放されていく、そういう末路を感じずにはいられません。今後の成長と期待を込めて、大人の事情に左右されない次回作を期待させていただきます。


●このゲームで一番面白かった部分。

 発売前のPVを見ていた頃。

●このゲームで一番ツマらなかった部分。

 某人気ガンダムの超性能と、自分の好きなガンダムのあまりの差を見た時。

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